第6章 No.5 ルールはルール。
[雄英高校・特設スタジアム会場]
マイク『さあさあきたぜ二回戦第三試合!
こっちもこっちで両者トップクラスな実力者同士!!
ある意味弱点あるのか解んねえくらいの実力者の神和!
対するは、こっちも無敵に近い“個性”を持ってる常闇!』
ワァアアア・・・!と会場から歓声が上がる。
お互いに攻撃が届くか届かない距離を開けた向かい側には、常闇くんが立っている。
常闇「全力でいくぞ、神和」
零无「・・・来い、常闇くん」
ミッド「START!!」
スタートと同時に常闇くんが黒影(ダークシャドウ)を膝上から出現させて私に向かって走ってくる。
・・・ふむ、まずは確証を確かめないと。
零无「属性召喚・ガイア」
〝全地天現(テルース)〟
ボコッ
地面からチャクラム(歯車みたいな飛び道具)を出現させて、それを向かって来る常闇くん目掛けてぶん投げた。
常闇「っ、相変わらず摩訶不思議な“個性”だな・・・!」
ガッ
零无「それはこっちのセリフだ、よっ!
属性召喚・ウラヌスっ」
〝天(カイルス)〟!
ヴン・・・ッ
常闇「!」
零无「お?」
全地天現のチャクラムが常闇くんの黒影の両手に当たって防がれた瞬間を見計らって、すかさず天でチャクラムの周りの重力を重くした。
でもチャクラムだけが地面に落ちて、土に戻る。
・・・なるほど、常闇くんの黒影は無機物じゃなくて生物の部類に入るのか。
零无「(“個性”は当たって物理攻撃も当たる、でも重力操作が効かないとなると・・・)」
常闇「何をしようとしているのか知らんが・・・勝たせてもらうぞ!
掴め、黒影!」
零无「いやいや、こっちだって負ける気・・・ゼロだよ。
・・・属性召喚・ハデス!」
〝冥怪(ケルベロス)〟
ボウッ・・・!
青い炎を三つ、出現させてその内の一つを黒影に。
そしてもう一つを常闇くん自身に向けて放つ。
常闇「くっ・・・!」
FIRE!!
零无「まーだ、だ・・・よっ」
二つとも防がれたけど、ダメージ的には常闇くん自身の方が高い。
それなら、と私は残る一つの温度を更に高温にした。