第2章 No.1 手始めの初めまして。
side:相澤
[会議室]
例年の如く召集された教員達が例年通りに会議室に集合した。
なんで集まってるのかって言うと・・・。
「実技総合、成績出ました」
そう。
先週やった、雄英高校の一般入試実技試験の結果報告会。
毎年の事ながら、別に俺が居なくても合理的にやれると思う。
今話題に出てるのが2位が救助ポイントゼロ、そして8位の“敵”ポイントゼロの男子。
「細けえことはいんだよ!
俺はあいつ気に入ったよ!!」
マイク「YEAH!って言っちゃったしなー」
相澤「(・・・・・・・・・ったく、わいわいと・・・)」
根津「さて、それじゃラスト。いよいよ1位の発表だよ!」
そう言って空欄だった1位の欄に出た名前には納得したものの、俺はその点数に「ハァ・・・」と溜息をついた。
「“敵”ポイント・・・100!?救助ポイントも75・・・これは凄い・・・!」
相澤「(・・・っの馬鹿・・・)
あー、一ついいですか。この受験生、どう言った方法で仮想敵を倒したり救助ポイントを?」
マイク「そりゃ凄かったぜ、このリスナー!
カメラにゃ映ってなかったけど俺はしっかり見たぜ・・・しゃがんだと思ったら開始3分弱で会場Gに小手調べ程度に配置されてる1ポイントの仮想敵を見てもねえのに、黒い十字架みてえのを出して全滅!!」
「救助ポイントに関しては、受験生複数名がギミック3機に追われていた所をあっと言う間に押し潰していたね。
いやあ、前例の無い所行をやってのけたこの受験生は凄いね」
マイク「2位と8位の奴も凄え!!
YEAHが連発しちまうくらいだからな!!」
あの、馬鹿。
やり過ぎんなっつったのに・・・さっそくやり過ぎやがった。
せめて目立たないように合理的かつ周りのレベルに合わせて欲しいんだがな・・・。
で、会議も終わったから教員達はそれぞれ会議室を出て行く。
俺はまだ表示されてるクラス表を眺めていた。
相澤「・・・・・・皮肉なもんだな・・・ヒーローになりたくて必死になってる奴らより、零无が1位なんてよ」
表示されてるのは、変更後の点数。
カサ、と手元の本当の点数を見て俺は溜息をついた。
1位・神和零无/“敵”ポイント185、救助ポイント75。