第22章 赤毛の少女と追いかけっこ
「詞織さん!」
僕を庇って、詞織さんが扉の向こうに連れ攫われた。
「ふたりめ、捕まえたぁ☆ どんどんお友達が増えて、アンも喜んでるわ!」
どこまでも嬉しそうな彼女に、僕は恐怖を覚える。
残ったのは僕1人だけだ。
僕1人で勝てるのか?
「あら、どうしたの? お遊戯はこれからが本番よ! あなたは鬼ごっこの天才みたいだけど、この状態で何分心が保つかしら?」
再び、人形が進撃を開始する。
巨大な手が迫り、それを避け続けるけれど……打つ手がない。
今はどうにか躱せているけど、このまま続けば確実に疲弊して、最後は捕まる。
ここからの逆転なんて、僕には無理だ。
もう……太宰さんたちを頼るしかない。
僕は