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血染櫻【文豪ストレイドッグス】

第22章 赤毛の少女と追いかけっこ


「詞織さん!」

 もがいてみるけど、人形の腕はピクリとも動かなかった。
 扉が開き、人形が離したあたしの身体を、無数の腕が捕える。

「きゃ……っ」

 太宰さん――……。

 あたしの脳裏に、癖のある髪の青年が過った。


 ――あぁ……太宰さん、あたしは――……。


 もの凄い勢いで引っ張られる。
 やがて、扉の向こうまで連れ攫われたあたしの目の前で、扉は無情にも閉まった。
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