第10章 少しずつ…
「へ?なんて?悪ぃ、よく聞こえなかったわ。」
そう言い、顔にまで足を踏みつける。そして、ガラの悪い男が振り向いた。すると、黒子がひとさし指でボールを回しながらこう言った。
「どう見ても卑怯です。」
そう言い、ボールをガラの悪い男性に近づける。
「ったっ!」
鼻をおさえて離れる男性。
「なんだテメェ、どっから湧いた!?」
「そんなバスケはないと思います。何より暴力はダメです。」
「火神君…。」
「なぁ~にをやっとんじゃぁ!」
「黒子っちぃ~!」
「あぁ!?いきなり何だテメェ。」
黒子の胸ぐらを掴むガラの悪い男。
「フッ…はははっ!いんだね今時、いいぜ?別に。」
胸ぐらを離す男。
「じゃあバスケで勝負してやるよ。」
すると、黒子の頭に誰かの手が…。
「あのぉ、俺らも混ざっていいッスか?」
「つーか、何いきなりかましてんだテメェ。」
『でっ…ででっ…でけぇ!』
「なんじゃ!?」
「つか、あれ?後ろにいんの可愛くね?」
「おっ!マジじゃん。」
私はバッグを持ち直す。
「…帰ろ、テツ君、火神君、黄瀬君。」
「あ?帰れるわけねーだろ。」
「…じゃあ先に帰る。」
「ダメです、見ててください。」
「……わかった…。」
「5対3でいいぜ?かかってこいよ。」
「なんだと!」
「くっ…。」
そして始まった試合。
「!…」(キラキラ…!)
当たり前だけど、こちらの方が勝っている。
自然と笑みがこぼれる。楽しそうな3人。
そして……。
「あらら…。」
『瞬殺…。』
「すっげぇ。」
コートから出て行く3人。
「…大丈夫、ですか…?」
「おい菜月。そんな奴ら気にしなくていいんだよ、こっち来い。」
「でも…。」
「うっ…。」
全員が起きあがる。火神達と私とでは、少し距離があった。