第9章 絶体絶命!?
私は先に黒子と一緒に店を出た。
「!…黄瀬君?」
鉄の手すりに腰をかけて、黄瀬が待っていた。
「ちょっと、話さねッスか?」
「…」
「…じゃあ、先に帰るね。」
「ダメです、一緒に帰るって言ったでしょう?」
「…でも、涼太が話あるって…。」
「いいッスよ、菜月っちもいてもらいたいし。」
「…」
そして、黄瀬と一緒に公園へと移動した。
*
「ごちそうさまでした!」
「2度と来るなぁ!!」
「うっ…さすがに食いすぎた…。」
「いやぁ、お前やっぱバケモンだな。」
「でも助かったなぁ。」
「よし、じゃあ帰ろっか。全員いる?」
「あれ?黒子は?」
「いつものことだろ?どうせまた最後尾とかに…。」
『いない…。』
「菜月もいない!」
「あの2人はぁぁ……。いつもいつも!!」
監督が怒鳴る。
それから……。
「てか、こうしてちゃんと話すのも久しぶりッスね。…怪我、大丈夫ッスか?」
右手でバスケットボールを持ちながら話し、歩く黄瀬。
「はい、大丈夫です。」
すると、ベンチの近くの地面にスポーツバッグを置き、ベンチに立つと、背もたれの上の方に座る黄瀬。
「そういえば、緑間っちに会ったッスよ。ね?菜月っち。」
「うん。」
「ん…。ん~…正直、あの人はちょっと苦手です。」
「フッ…ははっ!そういや、そうだったッスね。けど、あの左手は半端ねぇッスよ。実際。蟹座がいい日は特に。」