第7章 黄色い髪の彼
練習試合をしていた。1年生対2年生。
伊月と火神の1対1。火神が左から伊月を抜くと、伊月はまだ追いついてきた。それをまた抜いて、ダンクを決める火神。
「速っ!」
「おらっ!」
陰でニヤリと笑みを浮かべた。黄色い髪が少し揺れた。
「おぉっ!ナイシュ!」
「すげぇな、フルスピードからあの切り替えし。キレがおんなじ人間とは思えねぇ…。」
「もしかしたら、キセキの世代にも勝ってるかもな。」
「今のなら、もしかしたらキセキの世代倒せんじゃね?」
「あんな動き早々できねぇって。」
「もしや、もう超えてるかも!」
すると、何かに気づいた黒子。
「…とは言ったけど…。」
それから……。
「おーし!全員集合!!」
『はいっ!!』
「海常高校と練習試合!?」
「そ!相手にとって不足なし。1年生もガンガン使ってくよ!」
「不足どころか…すげぇ格上じゃねぇか…。」
「そんなに強いんですか?」
「全国クラスの強豪校だよ。インターハイとか毎年普通に出てる。」
「そして海常は今年、キセキの世代の1人、黄瀬涼太を獲得したところよ。」
「…」(黄瀬…君…。)
あだ名で呼ぶことは、もうなくなった。