第6章 お昼での小さな幸せ
「…わかった。」
「…それと…よ…。」
「…?」
「なんでアイツのこと、テツ君…なんて呼び方してんだ?」
「…黒子君って呼んでたけど…なんか…親しくなったら、テツ君になってた。」
「…そうかよ。」
そっぽを向いてそう言った火神。
「…キセキの世代の奴らも、そう呼んでんのかよ。」
「うん。名前呼びの人もいれば…そうじゃない人もいる。」
「…例えば?」
「…あっくん。」
「!?…」
「紫原敦のこと。あと、大輝。青峰大輝。涼太。黄瀬涼太。真君。緑間真太郎。……征君…。赤司征十郎。」
全て名前を言うと、楽しそうに口の端をあげた火神。
「いいねぇ…強そう。」
「…強いよ。…でも…強すぎて……変わった…。」
「…?」
「!…なんでもない…。ゴメン…。…ここ、家。」
「お、おう。」
「じゃあ、また。今日はありがとう、火神君。」
「おう…!」
私は玄関のドアを開け、家に入る。
「…火神君…ねぇ…。」