第5章 誠凛高校、バスケットボール部!
しばらく沈黙が走ってから。
『無理だと思います。』
黒子とハモり、2人でそう言うと、また額にムカムカマークを浮かべる火神。
「おいっ!!」
「潜在能力だけじゃわかりません。でも、今の完成度じゃ、彼らの足元にも及ばない。1人では無理です。」
信号機を渡り、そう言った黒子。
「僕も決めました。僕は影だ。でも影は光が強いほど濃くなり、光の白さを際立たせる。君という光の影として、僕も君を日本一にする。」
「!…」
火神は驚いた。
「!…」
でも…驚いたのは、火神だけじゃない…。
私もだ…。
「…」(凄い……。)
「はっ…。言うねぇ、勝手にしろよ。」
「頑張ります。」
2人は微笑む。
それから…。
「今日はここまででいいよ。」
「え…でも…。」
「あっちでしょ?テツ君。」
「…でも…。」
「…仕方ねぇな、俺が送っていってやるよ。」
「!…」
火神がそう言った。
「…帰り道、俺もそっちだから…。」
「…大丈夫ですか?火神君。」
「あ!?」
「ま、まぁまぁ…。じゃあ、また明日、テツ君。」
「…はい。また明日。」
寂しそうに手を振った黒子。
火神と2人で歩いた。
「…」(気まずい…。)
さっき、やっとハンバーガーを食べ終え、今、シェイクを終わらそうと頑張っている。
「…キセキの世代っつーのは、すげぇんだよな?」
「…はい。」
「……その敬語、やめねぇ?」
「え…?」
「…その…タメ口でいいし。」