• テキストサイズ

彼女はキセキの特別 【黒子のバスケ】

第19章 偵察


「それくらい、お前は隙をいっさい見せなかった。ということだ。」

「…真君って優しいんだね。」

「!…な、なんだと…?」

「だって、隙を見せなかった。ってことは、隙を見せるタイミングを見計らってたってことでしょ?イコール、ずっと見守っててくれたってことでしょ?優しいね、真君。」

「お前は…どこまでポジティブなのだよ…。」


私は笑ってしまった。


「…お前は、今の誠凛のメンバーで、青峰を倒せると思うか?」

「…もちろん。次は絶対に負けない。」

「…そうか。」

「え…。」

「…なんなのだよ。」

「いや…てっきり…無理に決まっているのだよ。とか言うのかと思って…。」


すると、緑間は私の隣に腰をおろした。


「…今の誠凛は強い。合宿の最中、進化しているのがよくわかった。特にあの男、火神はな。」

「…」

「…あの男は、唯一、キセキの世代と互角に渡り合える人物かもしれんな…。」


そう言い、メガネをかけ直した。


「…そうだね。きっと、大我君ならやってくれるって、信じてる。」


私は微笑んだ。


「…全く…ズルい奴なのだよ…お前も…黒子も…。」

「え?」


緑間は私の頬を手で包むように持ち、私の目を見つめた。


「し…真君…?」

「…」


私も緑間の目を見つめた。綺麗な緑だった。


「俺は……お前のことが……。」

「…?」


風が吹いた。


「好きなのだよ。」


緑間から…初めて言われたかもしれない。
/ 380ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp