第3章 少しずつ変わりゆく
「何してんだ?もう帰ったのかと思ったぜ。」
私にかけよってくる青峰。
「あ…か、帰ろうかと思ったけど……自主練…してる人いるから…もうちょっと…って、思って…。」
「へぇ~!そっかそっか、じゃあ入ってこいよ、俺とテツしかいねーから。」
腕を掴まれ、体育館の中に、いわば強制的に入らされる。
「ちょっ…待って、靴…!」
「ん?」
「履き替えるから…。」
「ああ、おう!」
靴を履き替え、体育館の中に入る。2人で使うには広すぎるくらいだった。
「…」
黒子のパスが、もう完成した。赤司と緑間、紫原がこの体育館に入ってきて、アドバイスをしたらしい。そして、虹村さんに黒子の才能を見せ、黒子は1軍入りした。
「テツ!パス!」
「はい!」
「…」(楽しそう…。)
私は2人を見て、自然と笑顔になる。体育館の入口の少し横の壁に座ってよりかかって見ていた。
「…!」
青峰がダンクを決めた。
「…」(凄い…!)
「…菜月、お前もやらねぇか?バスケ。」
「!…」
バスケットボールを投げられた。それを座ったままキャッチした私。
「危ない…!」
「ははっ!悪ぃ悪ぃ。」