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彼女はキセキの特別 【黒子のバスケ】

第16章 実力


「…」(そういえば…木吉先輩って…どこかで…。)


木吉を見つめたまま、私は考えた。


「あっつい視線送ってくれちゃって、俺の顔に何かついてるか?」

「!…え…あ…。」


いつの間にか木吉の顔が私の目の前にあった。


「っあ…な、なんでもないです…すみません…。」

「いやぁ、謝ることはねーけどよ。」

「…」


なぜだかわからないけど、初対面なのに、この人と一緒にいると落ち着く。どこか…安心する。

そして始まった2人の1on1。皆の視線が2人に集中する。


「すげぇ!」


木吉は火神より身長が大きいのに速かった。でも火神も負けていなかった。


「どっちも譲らない。」

「互角!」

「やっぱすげぇな木吉。ブランクあんのに、火神相手にここまで…。」

「けど、押してるのはやっぱり火神だ。」

「…」

「抜いた…!」


火神が木吉を抜いた。


「まだだ…。」

「…」


木吉が手を伸ばしてシュートを止めようとするも、火神はそれを上手くかわし、ダンクを決めた。


「何!?」

「すげぇ。あそこで裏からダンク。火神の…勝ちだ。」

「はぁ…まいった。俺の負けだ。約束通り、スタメンは君だ。」


木吉はそう言うと、火神の肩を軽く叩いた。


「うっす。」

「ちょっと…。」


監督も言葉に詰まっていた。


「じゃあ俺、先あがります。お疲れッス。」


火神は体育館を出て行った。


「っ…すみません、ちょっと行ってきます。」

「え…ちょっと…菜月ちゃん…!」

「…」


監督の声も聞かず、私は火神を追いかけた。
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