第16章 実力
歓声が起こった。そして、メンバーチェンジ。
「誠凛、メンバーチェンジです!」
土田と黒子がハイタッチをした。
「…」(テツ君…。)
「黒子…。」
黒子が火神の前で止まった。
「悪ぃ、俺1人じゃ、想像以上にしんどいわ。」
「すみません、意味がわからないんですけど。」
「あ!?」
「最初から一緒に戦うつもりだったじゃないですか。そんなに簡単に勝てたら、苦労はないです。」
「…うっせぇな。わーってるよ!」
黒子は微笑んで、桐皇学園の方を見た。
「…いくぞ。」
「おう、こいよ。」
「…お願い。」
監督が言った。
今まで以上にハードになってきた試合。若松がレイアップを決めると、そのボールをすぐに取り、黒子が火神にパスを出した。しかも、秀徳戦でやった、超長距離パス。若松の顔の横を通った。
「すげぇ!なんだあのパス!」
「けど、青峰も速い!」
すると、火神は日向にパスを出した。
「どうした火神、随分とナイスパスじゃねぇか。」
「決めてください!キャプテン!」
「あぁ!?」
綺麗に決まったスリーポイントシュート。
「きたぁ!」
「後半ついに初得点!」
第3クォーター、残り5分31秒。59対39。
ビーッ!
「はぁ、つか祈ってんじゃねぇぞ?1年。」
『!?…』
「俺が打つときは讃える準備だけしとけやぁ!!」
指をさしそう言った日向。
『クラッチタイム入ってたぁ…。』
「続けていくぞぉ!」
諏佐が今吉にパスを出した時、今吉と諏佐の真ん中にいた黒子がボールを取った。そして、伊月にパスを出した黒子。