第13章 道のり
黒子と高尾がまた何かを話していた。でも、すぐに高尾の前から姿を消した黒子。それについて高尾が何か叫んでいた。
「日向フリー!いけぇ!」
黒子にパスが出る。日向にパスを出そうとしたけど、高尾に防がれた。
『!…』
「!…」
皆、驚いていた。そしてそのままレイアップシュートを打った高尾。
「…」(高尾君には…テツ君のミスディレクションが効かない…。どうすれば…。)
第1クォーターの3分40秒でタイムアウトをとった。点差は3点差。誠凛が負けていた。
『…』
皆、黙りこんでしまった。
「…」(こればかりはどうすればいいかわからない…。今までそんな選手…いなかった…。けど…これだけで終わるような人じゃない…。帝光中の時も…勝利へと導いてくれた。きっと…何か方法が…。)
「菜月さん?」
「!…な、何…?」
「どうかしたんですか?」
「え…?」
「いえ…ボーッとしていたので…。」
「…ううん、なんでもない。」
ニコッ…と微笑んだ。
すると、誰かの手が頭に乗った。それは黒子も同じだった。
「!…」
黒子と同時に驚いた。
「おいお前、まさかこのままやられっぱなしじゃねぇだろうな。」
「まぁ…やっぱちょっと嫌です…。」
それは火神の手だった。後ろでしゃがんでいた私にも手を乗せてくれた。
「よく言った!監督!」
「ん…。」
「このままいかせてくれ!ださい…。」
「このまま…?高尾君にはミスディレクションは効かないのよ?大丈夫?」
「大丈夫…じゃないです。困りました…。」