第13章 道のり
それから……。
第4クォーター、4分47秒で、58対64。誠凛が負けている。
津川と黒子が少し話したあと、黒子が津川の視界から消えた。伊月が黒子にパスを出し、黒子が日向にパスを出した。日向のレイアップシュートが決まった。
誠凛も正邦のディフェンスをかわせるようになっている。
正邦のパスをカットして、日向が一気にゴールのところまで行く。そして黒子にパスを出して、水戸部にパスが渡り、レイアップシュートが決まった。
『おぉーっ!』
「監督、皆、対応できてますね。」
「ええ。」
「…さすが…先輩達…。」
「あったりまえよ!」
水戸部のフックシュートが決まった。
「これが、先輩の意地…。!…すげぇ…。」
「何今頃言ってんのよ。いつもこんなもんよ。」
「っ…。」
黒子がどんどんパスを出していく。
日向から土田へ。土田のシュート。残り29秒で70対69。逆転をした。
「逆転、マジか誠凛。」
「追いついた…!」
でも……。
「うおおおっ!!」
そう言い、ダンクを決める岩村。
「王者をなめるなよ!貴様らごときが勝つのは10年早い!!」
「なっ…!?」
「っ…。」
「オールコートマンツーマン…!」
「っ…あと…10秒…。」
伊月が黒子にパスを出し、黒子が土田へ…けど、津川がその前に立ちはだかる。
「黒子ぉ!!」
「テツ君!!」
「!…」
ボールをスルーして日向へパスを出した。そして日向へ渡り、3Pシュートを打った。
『!…』
ピピーーッ!!
「よっしゃあっ!!」
「試合終了!」
73対71。誠凛の勝利!
「やったー!」
「よっしゃあ!」
「…っ…。」
皆が喜んでいた。その時だった。
「なんでだよ!!誠凛なんて、去年できたばかりのとこだろ!練習だって、絶対ウチの方がしてるのに!去年なんて、相手にもならなかったのに!強いのは…強いのはどう考えてもウチじゃ」