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ダイヤの原石-6Carat-

第5章 4carat*仲間


藍も足を組みなおしながら、何も言わなかったけれどさんごを見つめる目は受け入れているような柔らかい瞳に変わっていた。

「あ、わ、私…」

おどおどと目線を動かすさんごにざくろは静かに近づいていった。
そして手を差し出す。

「一緒に頑張ろう、ね?俺たち目標はみんな同じはずなんだ。」

さんごはしばらくその手を見つめ、きゅっと口を結んだ。
すると突然、会議室の隅にあった文具棚へ向かい、そこからはさみを取り出すと、今まで願掛けのように伸ばしていた長い髪をバッサリ切り落とす。

「これで今日から新しい“僕”の誕生です。足を引っ張るようなことはしないようにしますので、皆さんどうか、よろしくお願いします。」

さんごは深々と頭を下げた。
すると誰かが近づいてきて足元に落ちた髪を一束拾い上げる。

「覚悟、見せてもらったよ。でも僕、女の子に負けないくらい“可愛い”の自信あるから。6caratの中性枠はあげないよ。」

顔を上げると、そこには髪をひらひらと床に散らせる光黄がいた。
その後ろには穏やかに微笑む4人の姿。

こうして6caratは結成されたのだった。
後に世間を揺るがすほどの人気アイドルグループになることなど、この時の彼らはまだ知る由もなかった。
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