第8章 死神
昨日は丸一日寝倒して
今日も昼過ぎまで寝ていて
こんなにぐうたらしたのは久々な気がする
ヤバッ
携帯の電源切れてるわ
いつから切れてたんだ?
充電器は事務所に置きっぱだ
かなり早いけど…行くか
シャワーを浴びて着替えを済ませ
姿見で全身チェックなんかしちゃって
はやる気持ちを抑えて
事務所のあるビルへと向かった
「おはよーございます」
「あれ? 予約システム確認してないのか?」
「あぁ。スマホの充電切れてるから」
棚に置きっぱなしの充電器をプラグに差し込む
「今日の仕事キャンセル入ったんだよ」
「え…?」
電源を立ち上げると、急いで予約システムを確認する
ホントだ…まーくんの予約が昨日の夕方にキャンセルになってる
「待機してなよ」
「いや… 体調もまだいま一つだし、今日はいいや。
もう少し充電したら帰りますよ」
「じゃあ、電話番頼んでもいいか?
飯まだ食ってないんだわ」
コンビニに行ってくる、という太一さんを送り出した
なんだ… キャンセルか…
少しというか、だいぶショックだ
仕事になったのか
それとも、プライベートの用事ができたのか
もしかして…飽きた? まさかね…
事務所の中に誰もいないことを確認して
パソコンにパスワードを打ち込むと
本来、太一さんしか弄る事のできない顧客管理システムを開いた