第7章 月
「凄いっ! カズくんまたホームランだ!」
想像を超えたカズくんのバッティングセンスと
予想外のカッコよさ
その男らしさにまでドキドキするなんて
なんか俺、オカシイ…?
「次、相葉さんの番だよ」
「あっ、うん!」
カズくんから受け取ったバットを握りしめる
「よし、来いっ!」
「そんなに落ち込まないでよ」
…カッイイとこ見せようだなんて、甘かった
「昔はもっと上手かった筈なんだけどなぁ」
「それっていつの話?」
「小学校の頃の話…」
それじゃあしょうがないよね、ってカズくんが笑った
「あれ? 相葉くん?」
来た…!
風間だ。
振り返ると、そこには風間ともう一人
男の人が立っていた
聞いてないけど…!
「おー、久しぶり!
そちらは…友達?」
「地元の、新小岩の幼馴染の雄一です」
新小岩
その言葉に
カズくんの肩がピクッと揺れた
「もしかして…大野?
俺だよ、同級生の中丸」
中丸くんの視線はカズくんに一点集中してる
「久しぶり…中丸くん」
カズくんの顔から
笑顔が、消えた