第7章 月
“聞きたい。
知りたい。カズくんの事”
昨日のお礼を言うのも忘れてすぐに返信を打った
翌々日
翔ちゃんと風間がウチに来てくれる事になった
LINEじゃなくて、言葉で伝えたいからって。
その間
俺は気が気じゃなかった
何をするにも手が付かなくて
カズくんの事ばかり考えていた
「いらっしゃい。どうぞ上がって?」
部屋に二人を招き入れる
「おー。相変わらずキレイな部屋だな
テレビの位置おかしいけど」
いつもと変わらない翔ちゃんとは対象的に
風間はずっと黙り込んだまま
ビールと摘みを用意したけど
飲む前にコレを見てください、と
風ぽんから一冊のアルバムを渡された
わざわざ地元の幼馴染から借りてきてくれたという卒業アルバム
一枚ずつページを捲っていくと
クラス毎の集合写真の中に、小学生のカズくんが居た
「それ、一番後ろ見てみてください」
最後のページは卒業者名簿になっていて
名前を指で辿った先に見付けた
“大野 和也” の文字
「問題はこっちです」
そう言って風間は二冊目のアルバムを俺に手渡した