第7章 月
「この度は雅紀が大変ご迷惑をおかけしました。
なんとお詫びを申し上げたら良いか…」
「…はぁ、」
ふわふわしてる。
右肩を支えてくれてる方が極端に低いのは
風間だからかなぁ。
「翔さん、ちょ…早くしてくださいよ!
重たいんですから!」
「あぁ、悪い。
それでは松本さん、我々はこれで失礼致します。
ほら、雅紀。」
「じゅーーーん。ありあとねぇ〜」
翔ちゃんと風間に引き摺られて
ドサッと車に投げ出されて
その後どうなったかは、記憶に無い
気付いたら自宅のベッドの上で
あー…またやっちゃった
出勤したら潤に謝んなきゃ…
もちろん、翔ちゃんと風間にも。
「ん?」
スマホの受信ランプが光ってる
「風ぽんからだ」
小言言われるのかなぁ、なんて思いながらメッセージを開くと
そこには思いもかけない事が書かれていた
“こないだ地元に帰って幼馴染と会って
和也くんの事、少しわかりました。
ただ…聞くにはちょっと覚悟が必要かと思います。
どうしますか?”
ナニ…覚悟、って…
俺の中で一抹の不安が過る