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デリバリー【気象系BL】

第6章 塔


「手錠の痕だよ」

「手錠…」

「カップルコースのプレイ内容にソフトSMってあるの知ってる?
手錠と目隠しは当たり前。
さっきのお客さんはまだ40代前半なのにEDでさ
玩具使って自分の分まで何度でも俺の事イカせようとするんだよね。
だからもうクタクタ」


なんで、こんなにもイライラするんだろう
当て付けのように話す自分自身に


「そう…」

「興味ある?」


相葉さんがブンブンと首を横に振る


「だろうね。
あ。今日俺、寝てただけだし料金要りませんから」


テーブルに置かれた茶封筒を突き返した


「ダメだよ!」


相葉さんがそれを押し戻す


「じゃあ仕事させてよ」

「…っ、」

「うちの店のデートコース料金、他の店より割高の設定になってんの。
局部に触れなきゃお触りオッケー、キスもオッケーだから」


立ち上がり、相葉さんの左隣りに座る


「あと五分で15,000円分の元取ってよ」


どうせこれが最後
もう二度と会うこともないから、


「相葉さんがしないなら俺がするよ?」

「カズくん、待って、」

「するよ、」


近付けた唇を




逸らされた


「…ごめん、」


なんで…


「ごめんね、」


逸らした癖に
ふわっと抱きしめられて

虚しくて泣きたくなる
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