第6章 塔
好きなら
アレもしたい、コレもしたい、って欲張りになるのが普通なんじゃないのか
好きじゃなくたって
突っ込んで、腰振って
排出欲と支配欲を満たしたいのが男だろ
だから俺等みたいな商売が成り立つんだろ
「好きだから…会いたい
会って、話したり遊んだりしたい
それだけじゃ駄目かな、カズくんを指名する目的」
「ダメじゃない、けど… あ…」
「カズくんっ!?」
体力消耗してるのに急に立ち上がったからか
目の前がグワンと歪んで、相葉さんに覆い被さるようにして倒れ込んだ
「大丈夫!? カズくん!」
「…気持ち悪い、」
最悪だ
何しに来たんだ、俺は
「横になろ? 無理しないで。ほら、」
ソファーに寝かされると急速に眠気に襲われて
「ダメだよ… このままじゃ寝ちゃう…」
起き上がろうとするにも身体に全く力が入らない
「寝ちゃいなよ。冷たいおしぼりと水、貰ってくるね」
俺が寝ちゃったら相葉さんどーすんだよ
話したり遊んだりするのが目的なんじゃなかったのかよ
パタン、とドアの閉まる音が引き金になって
そのまま俺は…引き摺り込まれる様に眠りの中に堕ちて行った