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デリバリー【気象系BL】

第6章 塔


「う、うん」


おずおずと俺の隣りに座る相葉さんはちょっと挙動不審で
それがなんだか可笑しくて
自然と腕を絡ませて手を握り、胸のところに凭れかかった


「ちょっ…カズくん、」

「嫌だった?」

「嫌とかじゃなくて、その…」

「安心する。相葉さんの胸…」


コース内で出来る範囲の事はしてもらわなきゃ、なんて思ってたのに
仕掛けた俺の方が心地良いのはなんでだろう
繋いだ手も
相葉さんに触れている所全部が温かくて癒されて行くようだ


「カズくん、俺…」


その気になってきた?
イイよ
元取ってよ


「カズくんと居られるだけで嬉しいんだ。
だから…他のお客さんにする様な事、俺にはしようなんて思わなくていいからね」

「えっ…」


そっと腕を解かれて
思わず顔を上げた


「カズくん…?」

「なんだよ、それ…」


居るだけでいい、なんて
そんなの


「なんだよそれ…!
デートコースだってボティタッチやキスはOKなのに
何もしないでただ居るだけでいい、なんて
相葉さんの目的は何なんですか!?
俺をどうしたいんですか!?
俺に…!触れるのが嫌なんですかっ…、」


何言ってんだ
これじゃまるで、


「違うよ」

「違うって何が…!」



「カズくんの事が好きだからだよ」


相葉さんのその言葉にドキンと大きく胸が鳴って
雷に打たれたみたいに暫く動けずにいた
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