• テキストサイズ

デリバリー【気象系BL】

第6章 塔


道行く人がギョッとした顔で俺たちを見てる
そりゃそうだよね
夜のこの時間に男が男をおんぶしてるなんてさ

相葉さんはそんな事は気にも止めずに
50m程ズンズンと歩いて店の中に入って行った


「いらっしゃいま…」

「2時間でお願いします」

「二名様ご案内〜…」


店員が明らかに警戒してて笑える
そんな事を知ってか知らずか
相葉さんは俺をおぶったまま案内された個室まで歩き
そしてソファーにゆっくりと降ろした


「横になってていいよ。
アイスコーヒーでいい?」

「…うん、」


…最悪だ
こんなんでお金なんて貰えない
相葉さんが飲み物を取りに行った隙に、事務所に居る太一さんに電話をかけた


「もしもし、太一さん?」

『カズ? どうした?』

「あのさ…」


事情を話すと、決まりは決まりだからと
料金は全額貰ってくるよう厳しく言われた
どうしてもって言うなら自腹を切れって


「わかりました」


当然と言えば当然だ
自腹、切ろう。それか…
そう思った時、個室のドアが開いた


「横になってて良かったのに。
はい、アイスコーヒー」

「ありがと。
ねぇ、相葉さん。そこじゃなくてこっち…来て?」


向かいの席に座る相葉さんに
隣りに座ってとせがんだ

せめて
デートコースで出来る範囲の事は全部してもらわなきゃ
俺の気が済まない
/ 158ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp