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デリバリー【気象系BL】

第1章 吊るされた男








「ほら、着いたよ相葉くん!」

「んー…」


俺よりも一回り小さい風間に凭れ掛かりながら
駐車場からマンションまでの距離をふわふわと歩く


「しょーちゃんはー…?」

「さっき送ったでしょ!
風間に迷惑かけんなよって言われたでしょうが」


言われてみればそんな気がする
なんか記憶が曖昧だけど




「鍵どこですか!」

「ポッケん中ぁ…」




「靴!靴脱がないと!」

「あーい…」




「ああっ、もう!そんなとこで寝ないっ!」

「無理ぃ…」




ズルズル引きずられて
ボスッ、とベッドに投げ出された


「まったく…どっちが年上なんだか、」


謝罪と御礼は明日ちゃんと言うからね、風ぽん


「風邪引かないでくださいよ?」


ふわりと掛けられた布団の心地よさの中
部屋のドアがパタンと閉まる音がした







寝て起きたら
また新しい朝がやって来るから

今日は過去になり
過去の経験は糧となって

そんな事もあったなって
笑って話せる時が来るさ




変性意識の微睡みの中で
彼女の笑顔が浮かんで消えた

サヨナラ
俺の好きだった人

サヨナラ…
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