第5章 運命の輪
「なん、で…?」
「多分、だけど…
こないだ実家で写真見てたんッスよ
ホラ、保育園の時とか誕生月に台紙付きの写真貰ったりするでしょ? 後ろに手形とか押して、」
「あー…そんなんあったな」
「うん、あったね」
「俺、新小岩の保育園に通ってて。
そこの保育園は誕生月の子供全員で写真撮るんだけど、年少から年長まで三枚とも俺ともう一人の男の子二人で写ってたんですよ。
似てんだよなぁ…その子に」
「このカズって子も23… 風間と同じ歳だな
その写真の子の名前とかわかんねーの?」
「アルバムの集合写真見れば名前も分かると思います
姉ちゃんに聞いてみましょうか?
今、里帰りしてるから」
風ぽんが徐ろにスマホをタップして
お姉さんに電話をかけた
「もしもし、姉ちゃん?
あのさ、こないだ見てた俺の保育園の時の写真あるじゃん?
悪いんだけどあれ写メして送ってくんねぇ?
あとアルバムの方の集合写真のとこ見てさ、俺の隣りに写ってる子探して名前教えてもらえる?」
数分後、風ぽんのお姉さんから三枚の写真が添付されて来た
「ほら、この子」
「…似てる」
そこに写っていたのは
色白の、女の子みたいな小さな男の子で
顎のほくろもおんなじ…
次に送られてきた集合写真には
二列目の左から三番目にその子が映っていた
「おおの かずなり、」
カズくんと同じ
“かず”の付く名前だ