第2章 愚者
男は皆、馬鹿だ
馬鹿で浅はかだ
そう、俺自身も
「…あっ、あっ、っ…!深い、…っ!」
貴方は… もっと馬鹿だ
俺なんかの為に、あんな…
「はっ、ぁ、ぁ、やぁぁっ…、!」
肌のぶつかり合う音と荒い吐息が
窓を打つ雨音と重なってまるで地獄へのレクイエムの様に
「はっ…カズ、イクよ…!」
『カズ…』
貴方の声が耳の奥で響く
ねぇ、そこから見えてるんでしょ…?
滑稽な俺を嘲笑ってよ
そして出来る事なら
俺を連れてって
貴方の居る場所から
一番遠い所へ
「…ぁぁあっ…!」
連れてって
誰も知らない地獄の果てへ