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デリバリー【気象系BL】

第15章 デリバリー


―― ガチャッ ――



「まいどっ♪」

「あ。君は…」


ドアの隙間から覗かせた顔に見覚えがあった
モニター越しでは分からなかったけど
この顔。
この関西弁。


「…ダイゴ君、だよね?」

「おっ♪ 覚えててくれはりました?」


忘れもしない。
三年半前、カズくんがホストの仕事を辞めた日
最後の仕事を終えてうちに来た時
閉めようとしたドアが逆にバンッ!と開いて驚いたんだ





『ダイゴ!? なんでお前がここに…!』

『おのれがカズさんの男かぁー!?』


カズくんを押し退けて玄関まで侵入してきた、威勢のいい男の子


『オイ、やめろって!
お前もしかして俺の後つけてきたのか?!』

『文句ありますか!?
俺、どうしてこもこの人に聞かなアカン事があるんです!』


ピッと伸ばされた人差し指の先に居る“この人”って…


『俺、?』

『せや!
宣戦布告じゃあ!!』






「俺ってやっぱり印象的やねんなぁ、可愛いから!」


否定はしないけど
そうじゃないよ
インパクトが強すぎたんだよ


「覚えてるよ。
それで、今日はどうしたの?」

「見ての通りピザの宅配中ですよ!」

「いや、うちは頼んでないよ?」

「相葉さんへの宅配はピザやなくてですね、…ジャーン!」





ダイゴ君が届けてくれたのは。





「…誕生日おめでとう。
それから
メリークリスマス」


去年のクリスマスにプレゼントしたスヌードに照れた顔を埋めて
右手にケーキの箱
左手にレジ袋を持ったカズ君の姿だった
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