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デリバリー【気象系BL】

第14章 皇帝





「探そう、カズくん」

「えっ…?」


探す…?
探す、って、兄さんを…?


「しょーちゃん、一生のお願い!
カズくんのお兄さん探し、手伝ってくださいっ…!」


翔くんに向かっていきなり土下座するまーくんに驚いて

なんで
なんで俺なんかの為にこんな事


「しょーちゃん…!」


この通り、って神様仏様を拝むみたいに手を擦り合わせて




「あー、もうっ! わぁーったよ!」

「ホント!? ありがとー、しょーちゃん!」


目の前で繰り広げられる光景を
ただ、呆然と見ている事しか出来ない俺に


「しょーちゃんも手伝ってくれるって!
良かったね、カズくん!
必ず見付けだそうね!」


笑顔で俺の手を握りしめるまーくんは
今まで出逢った誰よりも
真っ直ぐで
優しくて
温かい人なのだと
改めて、感じた




人生のターニングポイントは三度ある、と聞いた事がある

一度目は…あの日、大野 智として生きる事を決めた日だろう

二度目は…今日。
過去を掘り下げて真実を知り、まーくんに兄さんを探そうと言われた瞬間


三度目
三度目のターニングポイントもいつか迎える日が来るのだろうか
その時も今日みたいに
太陽の様に笑うまーくんが俺の隣りに居てくれたらいいのに。
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