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デリバリー【気象系BL】

第13章 悪魔


『鼻から大きく息を吸って――
止めて――
口からゆっくり吐いて――』


深呼吸を三回繰り返す
翔ちゃんは真っ直ぐにカズくんを見つめてる




『イメージしてください――
大野さんは今、森の中にいます――
ぐるっと見渡してみましょう。大きな木が1本、あるのがわかりますか?』


「――わかります」


『では、そこまで歩いて行きましょう――』


「――はい」


『とても大きな木ですね
実は―― 不思議なことに、この木には扉が付いています
それを見付けてみましょう――』




「――見付けました」


『では、私が3つ数えて指を鳴らしたら――
その扉を開けてみましょう

ワン、ツー、スリー』




“パチン”








『――何が見えますか?』




「海…… 千葉の、海です……」


『そこには誰か、居ますか?――』




「俺だ… 中学生の俺がいます…
一人で浜辺を歩いてる…」





あの日に、
あの日の記憶にワープしたんだと理解って
俺は思わず生唾をゴクリ、と飲み込んだ
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