第12章 星
まーくんに諭される様にして、俺はもう一度眠りに就いた
優しく抱きしめられていたせいか
次は朝まで目を覚ますことも無かった
きっとまた夢は見たんだと思う
なんの夢かは忘れたけど
ただ
物凄く心地よかった事だけはハッキリ覚えてるんだ
それはきっと
柔らかなベッドと、まーくんの体温のおかげ
「おはよう、カズくん」
「おはよ、まーくん…」
「暑くなかった? 俺、カズくんのことギュウギュウに抱きしめちゃってたから、」
その腕に護られて
「心地、よかった
まーくんこそ、腕、大丈夫…?」
怖い夢も不安になるような夢も
「ぜーんぜん平気っ!
カズくん軽いもん」
まーくんの腕枕が、体温が
それを寄せ付けなかった
「それに、」
「それに…?」
「今度はちゃんと朝まで寝られたみたいだから
俺の腕の中が安心出来てたのかなって嬉しかった」
カーテンを開けて、朝の陽射しを背にして笑うまーくんは
太陽に負けないくらいキラキラ眩しくて
「また、してくれる…? 腕枕、」
「もちろん。ずーっとするよ?」
ずーっと。
その一言が
ひとりぼっちだと思っていた俺の心にスッと溶けて
胸がほわっと温かくなった