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デリバリー【気象系BL】

第11章 恋人


「まーくん…」


俺の右手の上に重なるカズくんの左手
まるで“触れていて”って言われてるみたい


「カズくん、俺っ…」


総動員させた理性も最早これまで


「カズくんが欲しい」


…言った。
言ってしまった。
お前も結局他の客の奴等とおんなじだって思われただろうか


「…やっと、言ってくれた」

「えっ…?」

「嬉しい。俺も…」


カズくんの右手が
同じ様に俺の左頬を包む


「俺も、まーくんと一つになりたい」


そう言って重ねられた唇
ほんのり苦いビール味のキス


「うん…!世界一優しくするからっ…!」


知識も経験も無い癖に『世界一優しくする、』なんて言っちゃって
でも本当にそうしたいんだ
そうしてあげたいんだよ
俺の全てで
溢れそうなほどのこの愛で
カズくんを優しく包んであげたい


「ベッド、行こう…?」

「うん…」


差し出した手をカズくんが握り返してくれる
ほんの数メールの距離だけど
俺達は隣りの寝室まで手を繋いで歩いた

リビングの明かりを消して
寝室の小さな間接照明を点ける
見慣れているはずのオレンジの灯りが
今日はなんだか特別に思えてしまう

だってこんなにもドキドキしてる
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