第11章 恋人
俺と一緒がいい、だなんて
それはさ
同じタイミングで寝たい、って事なのか
はたまた
一つのベッドで共に、って意味なのか
「お酒飲むの?」
「あぁっ、うん!
カズくんも飲むっ?!ビールしかないけど!」
返事も待たずにキッチンへ行き
冷蔵庫から缶ビールを二本取り出した
「はい、どうぞ…!」
「ありがとう」
三人掛けソファーの真ん中に座るカズくんと
不自然なほどに端っこな、俺
「まーくん、」
「はいっ…!?」
「もっとこっち来たらいいのに。
それとも端が好きなの?」
「いやぁ…」
おずおずとカズくんの隣りに移動すると
左から香る、俺と同じシャンプーの香り
うわぁ… ヤバイって。
これはキツイって。
早く酔ってしまえ、俺!
プルタブを開けてビールを一気に流し込んだ
ディープキスしちゃった後に言うのもなんだけど
友達からゆっくり進めたらと思ってたんだ、最初は。
でも、今もう既に
もっと近付きたい
もっと触れたい
カズくんを愛したい
そんな欲求が生まれてる
「お酒、強いんだね。
俺なんてちょっと飲んだだけですぐ赤くなっちゃうから、」
カズくんに視線を移すと白い肌はほんのりピンク色に染まっていて
「…可愛い。」
思わず手を伸ばし
カズくんの頬にそっと…触れた