第11章 恋人
「今日、泊まっていくでしょ?」
「迷惑じゃなければ…」
「迷惑なわけないよ。
着替え用意するからお風呂入っておいでよ」
なるべく
そう、なるべく厭らしくならないようにスマートに…言ったつもりだったんだけど
一晩一緒に過ごすと思ったら心臓はバクバクで
遠慮気味にバスルームに向かったカズくんの背中を目で追う始末
今夜は眠れるだろうか
明日、仕事になるかな
遅番で良かったよ、ホント…
「まーくん、」
「わっ…!」
後ろから急に呼ばれて。
振り返ると、目に飛び込んできたカズくんの姿に思わず息を呑んだ
白くて細い手足に濡れた髪
開いた首元は、屈めばその隙間から胸まで見えてしまいそうで
「着替え、ありがとう。
でもちょっと俺には大きいみたい」
部屋着用のTシャツはLLサイズ
Sサイズがちょうど良さそうなカズくんが着ると…
なんだか色々ヤバイ
「ハーフパンツ要らないかも」
「いや、ダメッ!履いてて!」
履いててもらわなきゃ、俺の理性が保たない