第6章 体育祭
臨時休校を挟み、翌日
例の如くミッドナイト先生と登校をし
教室へ足を運べば
心操君が心配そうな顔つきで出迎えてくれた
「…大丈夫か?」
そう言う彼の言葉は
いつも優しさを含んでいて
一日経った今でも思い出す、あの日の憤怒を溶かしてくれる
『うん!』
昨日、メールでも再三心配をしてくれたと言うのに
心操は彼女の顔を見るまで
どこか不安が纏わりついていた
『私は大丈夫。…だけど身を呈して生徒を守ってくれた教師陣は……』
「結構な大怪我らしいな」
…そうだ
相澤先生は個性で使う大切な目に後遺症を遺したと聞いた
私がすぐに復元していれば
そんな事にはならなかったかも知れないのに
自分の感情に呑み込まれ
判断能力を欠いた私の責任
「…今から復元は…出来ねえのか?」
『ッ……』
その質問は
何度もされた
でも
私の答えは
変えられない
『…まだ……出来ない』
まだ、という言葉に若干の引っ掛かりを覚えながら
心操は苦しそうな神奈に
それ以上問い質すことは
出来なかった