第5章 襲撃
「ならもう俺を、助けんな」
『ッそれとこれとは…』
「分かったな…?」
おでこを合わせ
すぐ近くの大きな瞳に
圧倒される
『……わか…った…』
なら良い、とやっと解放され
私は腰が抜け
そのまま座席にボスンと落ちる
爆豪も隣に腰を下ろし
今度は私にだけ聞こえる様な小声で
「お前が……居なくなるって、思った」
あの黒霧に
吸い込まれて
どこか知らないところへ
俺の
手の届かないところへ
行ってしまうのではないかと
危惧してしまった
「俺に……守られてろや」
そう、グシャッと神奈の頭を撫でる爆豪の表情は
今にも涙が滲みそうな
そんな悲痛なものだった…
襲撃を受け
各々が守りたいものは明白となり
各自の未熟さを
思い知らされた
そしてその後
彼らは新たな争いに
巻き込まれて行くこととなる