第5章 襲撃
「……お前も厄介な奴に目ぇつけられたな」
『……はは…』
何だかよく分からないまま爆豪くんは帰ってしまった
言いそびれたお礼を伝えようと携帯を取り出し彼の名前を探す
「…なぁ、神奈。お前はあいつが、好きか?」
唐突な質問に
思わず打ちかけの携帯を落とす
「……」
『は、ははは…何を急に…。まだ爆豪とは、会って数日だよ…?』
そんな訳ないじゃん
そういう神奈の顔は
先程と同様に赤くなっていた
「…神奈、俺に嘘吐くなら、俺は構わず個性を使うぞ」
『酷い脅しだ!!』
心操くんが個性を使えば
私は知らずの内に全てをはかされてしまう
「なぁ、お前だけは俺に、嘘を吐かないでくれよ」
『!!……う…うーん……』
嘘はつきたくないよ…?
上手くもつけないし、何より
貴方が悲しい顔をする
だけど
『……まだ…』
「…うん」
『…まだ、確信は、持ててない…のかも』
「……そう、か」
本当のことを言っても
貴方は悲しい顔をする