第5章 襲撃
「くそっ」
その怒声が響いたのは
とある地下のバーだった
「おい黒霧…あいつ……あのガキ…なんで攫ってこなかった…」
「すみません、他の生徒が居たので…」
「だーかーら!他の奴ら殺して!連れてこれば良かったじゃんって…言ってんだよ」
「…はあ」
黒霧と呼ばれるモヤの男は
反論しても意味のない事を知っており
それ以上何も言わなかった
「…クソッ……で、結局、あのガキの個性はなんだと思う?」
「そうですね…彼女は自身の個性を「復元」と言ってましたが、どこまで本当か…」
「だけど、実際蕎麦を復元してる所は見た。つまり、個性が「復元」なのは本当なんだよ
だが、戻せる時間がたったの数分ってのは大嘘だった」
「…!それはつまり、より長い時間で復元出来るという事ですか…?」
手の男、死柄木弔は
少し考え
「…おそらく、階段があいつの足元だけ消えたのは…素材のレベルまで戻したのか、或いはもっと先…存在する前まで戻せるのか……」
「……至急、調べさせましょうか…?」
「……あぁ」