第9章 再会
まるで見計らったかのように
何もない所から
黒い液体と一緒に脳無が転送されてきた
「!!?」
死柄木自身、それには目を見開いていた
「エッジショット!黒霧は――」
「気絶している!こいつの仕業ではないぞ!」
「どんどん出てくるぞ!!」
「シンリンカムイ!敵連合を絶対放すんじゃないぞ!!」
突然の事態に、ヒーロー側はそれぞれ対処しようとする
「神奈!!離れんな…!!」
脳無から守るよう、爆豪が彼女を後ろに隠す
しかし後ろから聞こえた声は
何事かが起きた、そんなものだった
『ッがあ…!!』
振り向くとそこには、
同じ黒い液体に飲まれていく彼女がいる
「神奈…!!!」
手を伸ばして助けようとした
何度も攫われてたまるかと
だがその叫び声は、
喉の奥から湧き出してくる黒い液体に
身体ごと飲み込まれてしまった――…