第3章 命令
新しく出来た友達、心操くんと別れ
保健室でリカバリーガールの助手…
といっても今日はまだ
書類の整理を手伝ったり
医療機材について教えて貰ったり
あとは彼女の肩をたたいたりなど
ほとんど雑用的な事のみで終わってしまった
帰り際に彼女から
そういえば今朝の子とは大丈夫だったかい?
と心配された
大丈夫ですよと笑って返し
リカバリーガールが帰宅していくと一緒に
私も保健室を去った
そしてついにこの時が来てしまった
練習場へと歩を進めて行くと
今朝の男が目に入ってきた
『あれ?中で練習とかしてないの?』
なんて呑気な声を掛けてしまった
男はこちらに気付き
つり上がった目を向けてきた
「っ!遅えよ唾液女!!何時間待たせんだよ!!」
何時間という言葉に疑問を持ちながら
ごめんごめんと謝る仕草もした
『怪我とかした?大丈夫?』
自分が呼ばれた理由だと認識している
個性に関しての質問をした
「あ"?」
いちいちガンを飛ばさなくても…
そう少し呆れる
あー…と何か納得した様な声を出し
「今日はしてねえよ
つーか、自主練すらしてねえ」
『?』
よく分からないという顔をしていたら
より目を吊り上げてこちらを向いた
「だから!今日は練習場使えなかったんだよ!!察しろやバーカ!!!」
『んな無茶苦茶な…』
苦笑いしながら
それは残念だったね、と言う
…あれ?
でもそうなってくると
授業が終わってから今まで何を…?