第7章 敵連合
翌日
世間を騒がせたのは2つのニュースだった
一つはもちろんヒーロー殺し「ステイン」
その犯行と逮捕
保須市は壊滅的な損害を被ったが
№2ヒーロー、エンデヴァーにより
その身柄を拘束された
多くの犠牲を払い、ついに「ステイン」逮捕へと繋がったのだ
しかし
犠牲となった者達の気持ちを差し置いて
「ステイン」は人々に
新たな思想を植え付けていた
彼の最後
その姿が動画で流され
見たものは
彼の思想を、理想を
脳に焼き付けられるのだ
彼の選んだ手段は
世間では間違ったものとされるだろう
が
理想に生き、理想に散った彼の姿は
その種子を残すほどに
根強く
美しく
そして勇敢なものだったのだ…
そしてもう一つ
人々に不安を与えたニュースがあった
それは運良く撮影されたもので
そこに映っていたものは
敵連合主犯二人の姿と
誘拐されたと報道されていた
「凪山神奈」その人だった
彼女に近しい人間は
彼女の生存確認に歓喜した
しかしそれ以外の人間は
「復元」の個性を持つ少女の
敵対化に戦慄した
主犯、死柄木弔
彼の撃たれた身体は完治した様子だった
専門家はそう告げた
そしてそれは、
ひとえに少女の存在故と
少女が敵の軍門に降ったと…