第2章 始まり
「しぇい!!」
男の子は自分のリュックをヴィランに当てた
「かっちゃん!!」
「何で!!てめェが!!」
「足が勝手に!!何でって…わかんないけど!!!」
はヴィランの後ろに回って手を振り上げた
『(マイナス100度で…完全に凍らせる…!!)』
「君が助けを求める顔してた」
『…!!』
すごいや
ヒーローの素質ってこういう人のことを言うんだろうな
「もう少しなんだから邪魔するなあ!!!」
が手を振り下ろそうとした瞬間、体がフワリと浮かんだ
『えっ!?』
「君に諭しておいて…己が実践しないなんて!!」
『オールマイト…!!』
「プロはいつだって命懸け!!!!!」
そして彼のデトロイトスマッシュの風圧でアメーバ状のヴィランは散った
は散ったアメーバを凍らせていった
そしてさっきの風圧で天気さえも変えてしまったオールマイト
雲間から光が差していた
飛び散ったベトベトはヒーローたちに回収され、警察に引き渡された
とさっきの少年はヒーローたちに怒られていた
「君たちが危険を冒す必要は全くなかったんだ!!」
『……じゃあもし飛び出さなかったらあなたたちが助けていたの?私にはそうは見えなかった』
「なっ…」
『“あいつに敵う個性が来るまで待つしかない”とか思ってたんでしょ。それってヒーローって呼ばない。私の知っているヒーローは…何が何でも助け出す!!言い訳はしない!!それがヒーロー!!』
「……!!」
『私には…ただ“助けたい”って思って飛び出したこの子の方が…ヒーローだと思う』
はそう言ってカバンを取って歩き出した
ヒーローたちは何も言わなかった
『はぁ……ヒーロー相手に何言っちゃったのよぉ…私…』
ヒーローに反抗なんて明日の新聞にでも書かれたらどうしよう!!
『うえええええんっ!!私のバカあ…!!』
「えぇぇっ!?」
『えっ?』
声のする方を見るとさっきの少年が
『あれ…さっきの…』
「あ、あの…ありがとう…。僕のこと…ヒーローって…」
『だって本当のことだもの。私にはキミの方がヒーローみたいだった!』
ニコッと笑うと男の子は顔を赤くした