第26章 明るい未来
相澤「お前がいても状況は変わらない。お医者さんに委ねるしかない」
緑谷「………。先輩に挨拶してきます。すみません、荷物だけお願いします」
相澤「あ…オイ今は…………」
―――――
通形「オイっすーーー!!」
緑谷「…!」
通形「おはよう緑谷くん!なんか俺だけもう1日様子見入院だって!!こんなにも元気なのに!!ちっくしょーー!!」
緑谷「先輩……」
通形「わかってるさ。“個性”も失って師まで逝ってしまった。笑ってられるような心境じゃない。だからこそさ」
緑谷「…!」
通形「ナイトアイさ、君にはああだったけど俺と話す時は結構笑ってくれてたんだぜ。だからメソメソしない。だって俺はこの先“立派なヒーロー”になるからね。俺が暗い顔してたらエリちゃんも辛いだろうしね」
緑谷「……先輩は…“個性”を消されても守り続けたんですよね」
通形「………」
緑谷「それに比べて…守らなきゃいけないエリちゃんに助けられて先生にも助けられてさんにも……もし先輩が後継者だったらナイトアイだって…!!もし…!僕が“個性”を先輩に渡せるって言ったら…そしたら」
通形「いらないです。もし仮に本当にそんなことが可能で、俺が譲ってもらったとしてさ。そしたら今度は君が苦労するだろう!何をしょぼくれてんのか知らないけど、君はよくやった!ヒーローデクだよ!」
緑谷「………」
通形「それに、昨日イレイザーからエリちゃんの話を聞いてるんだ。今後もし、エリちゃんが“個性”をしっかり扱えるようになったら“個性”を持ってる状態に戻してもらえないか頼んでみる。それがかなわなければ元通りになれるよう色々やってみる。
とにかく俺は大丈夫。ナイトアイの予知がついてるんだ。だからさ!!笑っていようぜ」
緑谷「――はいっ――…待っています」
緑谷は通形の病室を出て、の眠る部屋へと向かった
緑谷「さん…」
少し苦しそうな呼吸を繰り返していた
緑谷はの手を握った
緑谷「(冷たい……あんなに暖かかったのに…)」
「あれ、君は確か緑谷くん?」
緑谷「!は、はいっ」
「今日退院だったよね。さんの顔を見に来てくれたのかな」
緑谷「はい…」
「……。冷たいだろう、手」
緑谷「はい」