第22章 オーバーホール
通形「すばしっこいなぁ…!」
『(また消えた…!)』
そして背後に
『いない!?』
通形「よっ!」
ガッ!
『うっ!』
振り向いた隙にまた背後に回られた
『(速すぎる…っ)』
―――――
通形「ギリギリちんちん見えないよう努めたけど!!すみませんね女性陣!!とまァーーこんな感じなんだよね!」
緑谷「わけもわからず全員腹パンされただけなんですが…」
通形「俺の“個性”強かった?」
瀬呂「強すぎっス!」
葉隠「ずるいや!私のこと考えて!」
芦戸「すり抜けるしワープだし!轟みたいなハイブリットですか!?」
波動「私知ってるよ“個性”、ねえねえ言ってい?言ってい!?トーカ」
天喰「波動さん、今はミリオの時間だ」
通形「いや一つ!!「透過」なんだよね!君たちがワープと言うあの移動は、推察された通りその応用さ!」
緑谷「どういう原理でワープを…!!?」
通形「全身“個性”を発動すると、俺の体はあらゆるものをすり抜ける!あらゆる!すなわち地面もさ!!」
麗日「あっ…じゃああの地面に沈んでたの…落っこちてたってこと…!?」
通形「そう!地中に落ちる!!そして落下中に“個性”を解除すると不思議なことが起きる。質量のあるモノが重なり合う事は出来ないらしく…弾かれてしまうんだよね」
『つまり、あのワープは地上に弾き出されている…』
通形「そう!これがワープの原理。体の向きやポーズで角度を調整して、弾かれ先を狙うことができる!」
芦戸「……?ゲームのバグみたい」
通形「イーエテミョー!!」
蛙吹「攻撃は全てスカせて自由に瞬時に動けるのね…。やっぱりとっても強い“個性”」
通形「いいや。強い“個性”にしたんだよね。発動中は肺が酸素を取り込めない。吸っても透過しているからね」
緑谷「!」
通形「同様に鼓膜は振動を、網膜は光を透過する。あらゆるものがすり抜ける。それは何も感じることができず、ただただ質量を持ったまま落下の感覚だけがある…と言うことなんだ」
『落下の感覚だけ……』
通形「わかるかな!?そんなだから壁1つ抜けるにしても、片足以外発動、もう片方の足を解除して接地、そして残った足を発動させすり抜け。簡単な動きにもいくつか工程が要るんだよね」