第22章 オーバーホール
オールマイト「悪いが…聞かせてもらったよ」
爆豪「オール…」
緑谷「マイト…」
オールマイト「気付いてやれなくてごめん」
爆豪「……今…更……何でデクだ。ヘドロん時からなんだろ…?何でこいつだった」
オールマイト「非力で…誰よりヒーローだった。君は強い男だと思った。既に土俵に立つ君じゃなく、彼を土俵に立たせるべきだと判断した」
爆豪「俺だって弱ェよ…あんたみてえな強え奴になろうって思ってきたのに!弱ェから…!あんたをそんな姿に!!」
オールマイト「これは君のせいじゃない。どのみち限界は近かった……こうなる事は決まっていたよ。君は強い。ただね、その強さに私がかまけた…抱え込ませてしまった。すまない。君も少年なのに」
オールマイトは爆豪の頭を自分に引き寄せた
爆豪「……っ」
爆豪は腕を振り払った
オールマイト「長いことヒーローをやってきて思うんだよ。爆豪少年のように勝利に拘るのも、緑谷少年のように困ってる人間を救けたいと思うのも、どっちが欠けていてもヒーローとして自分の正義を貫くことは出来ないと」
緑谷・爆豪「………」
オールマイト「緑谷少年が爆豪少年の力に憧れたように、爆豪少年が緑谷少年の心を畏れたように…気持ちをさらけ出した今ならもう…わかってるんじゃないかな。互いに認め合い、まっとうに高め合う事ができれば、救けて勝つ、勝って救ける最高のヒーローになれるんだ」
爆豪「……そんなん…聞きてえワケじゃねンだよ」
爆豪は座った
爆豪「お前」
緑谷「!」
爆豪「一番強え人にレール敷いてもらって…敗けてんなよ」
緑谷「……強くなるよ、君に勝てるよう」
爆豪「ハア……。デクとあんたの関係知ってんのは?」
オールマイト「リカバリーガールと校長…生徒ではと君だ」
爆豪「!何であいつが…」
オールマイト「彼女は個性譲渡の現場にいたんだ。そろそろ出ておいで、」
緑谷・爆豪「!!」
ビルの隙間からが現れた
緑谷「さん…」
『………』
オールマイト「花の香りがした。こんな場所に花はない。君の涙だろ?」
『うん…』
爆豪「…ハァ……バレたくねェんだろオールマイト。あんたが隠そうとしてたからどいつにも言わねえよ。クソデクみてえにバラしたりはしねえ。ここだけの秘密だ」