第16章 始まりの終わり 終わりの始まり
あんなに騒がしかった駅前は静まり返った
「え…?」
「お…」
「何だあのガイコツ…」
『あ……!』
リポーター《えっと…何が…え…?皆さん見えますでしょうか?オールマイトが…しぼんでしまってます……》
緑谷「そんな…ひみ…つ…」
『………っ』
叫びそうになる口を手で覆い、溢れそうな涙を何とか堪えた
爆豪「――――…て」
「そんな…嫌だ………」
「オールマイト…!」
「あんたが勝てなきゃ…あんなの誰が勝てんだよ…」
「形は変わってもオールマイトはオールマイトでしょ!?」
「いつだって何とかしてきてくれたじゃんか!」
「オールマイト!頑張れ!」
「まっ負けるなァオールマイト!!」
「頑張れえええ!!」
爆豪「勝てや!!」
爆豪・緑谷「オールマイトォ!!」
激しい戦いで爆風が巻き起こる
中継のヘリもバランスを崩し少し映像が乱れた
駅前のモニターに映るのは震える拳を空へ突き上げる男
「「「オールマイトォ!!」」」
リポーター《敵は―――…動かず!!勝利!!オールマイト!!勝利の!!スタンディングです!!!》
ボロボロに、血だらけになりながらも雄々しく立っていたのはNo.1ヒーロー
『オールマイト……っ』
駅前の避難誘導が始まった
人の流れに乗って緑谷たちも移動を始めた
飯田「身動きが取れんな…轟くん八百万くんらと合流したいが…」
切島「とりあえず動こうぜ。爆豪とのことヒーローたちに報告しなきゃいけねーだろ」
緑谷「ん……」
《次は》
モニターには指を刺したオールマイトの姿
《君だ》
『…!!』
「オールマイト…やっぱすげえよあんた…!!」
「おお…おおお!!」
まだ見ぬ犯罪者への警鐘
『(違う……)』
平和の象徴の折れない姿
『(違う……っ)』
緑谷もその短いメッセージを受け取り、涙を溢れさせた
『オールマイト……っ』
私はもう 出し切ってしまった