第15章 オール・フォー・ワン
『いっ……ああああああああっ!!!』
荼毘「さっさと涙出せよ」
『出…さないっ…渡さない…』
荼毘「………」
ジュウ…!
『あああああああっ!!』
荼毘「はぁ…」
『…爆豪くんは…どこ……!?』
荼毘「あ?」
『爆豪くんは……どこに…いる…の…!』
荼毘「他人より自分の心配したらどうだ」
『…っ』
は風を起こしてドアを破壊
部屋を出た
荼毘「お前…」
ガッ!!
腹を蹴られてバーカウンターのある部屋へ飛ばされた
『ゲホッ、ゴホッ…!』
爆豪「てめえ…!」
『爆…豪…く……』
死柄木「おい……殺したら意味ないんだけど」
荼毘「殺してねえだろ」
ドォン!!!
爆豪が死柄木を攻撃
爆発で顔に付いていた手が飛んでいった
そして爆豪の腕の中にはが
『爆豪…くん…』
死柄木「………お父さん…」
テレビから記者会見の様子が流れていた
《生徒の安全…と仰りましたが、イレイザーヘッドさん、事件の最中、生徒に戦うよう促したそうですね。意図をお聞かせください》
相澤《私共が状況を把握出来なかった為、最悪の事態を避けるべくそう判断しました》
《最悪の事態とは?26名もの被害と2名の拉致は最悪と言えませんか?》
相澤《………私があの場で想定した最悪とは、生徒が成す術なく殺害されることでした》
《…………》
根津《被害の大半を占めたガス攻撃。敵の個性から催眠ガスの類だと判明しております。拳藤さん鉄哲くんの迅速な対応のおかげで全員命に別状はなく、また、生徒らのメンタルケアも行っておりますが深刻な心的外傷などは今のところ見受けられません》
《不幸中の幸いだとでも?》
根津《未来を侵されることが最悪だと考えております》
《攫われた2名についても同じことが言えますか?特に爆豪くん。体育祭優勝、ヘドロ事件では強力なヴィランに単身抵抗を続け、経歴こそタフなヒーロー性を感じさせますが、反面、決勝で見せた粗暴さや表彰式に至るまでの態度など精神面の不安定さも散見されています》
『(先…生………)』
《もしそこに目をつけた上での拉致だとしたら?言葉巧みに彼をかどわかし悪の道に染まってしまったら?未来があると言い切れる根拠をお聞かせ下さい》