第2章 始まり
「46m」
『…!』
緑谷「な…今確かに使おうって…」
相澤「“個性”を消した」
緑谷「!?」
相澤「つくづくあの入試は…合理性に欠くよ。お前のような奴も入学できてしまう」
緑谷「消した…!!あのゴーグル…そうか…!!」
『抹消ヒーロー、イレイザー・ヘッド』
「イレイザー?俺…知らない」
「名前だけは見たことある!アングラ系のヒーローだよ!」
『視ただけで人の“個性”を抹消する“個性”』
麗日「何その個性…凄すぎる…」
相澤「見たとこ…“個性”を制御できないんだろ?また行動不能になって誰かに助けてもらうつもりだったか?」
緑谷「そっ…そんなつもりじゃ…!」
相澤の巻いていた包帯らしきものが緑谷に巻きつく
出久「!」
相澤「どういうつもりでも周りはそうせざるをえなるって話だ。昔暑苦しいヒーローが大災害から1人で1000人以上を救い出すという伝説を創った」
緑谷「………」
相澤「同じ蛮勇でも…お前のは1人を助けて木偶の坊になるだけ。緑谷出久、お前の“力”じゃヒーローにはなれないよ」
相澤は緑谷の拘束を解いた
相澤「“個性”は戻した…。ボール投げは2回だ。とっとと済ませな」
緑谷はボールを握り締めながらブツブツ何かを言っていた
「彼が心配?僕はね……全っ然」
麗日「ダレキミ」
「指導を受けていたようだが」
爆豪「除籍宣告だろ」
『(大丈夫…。緑谷くんなら大丈夫…きっと…!!)』
緑谷は腕を振りかぶった
『(お願い…っ)』
そして思いっきり投げた
『…!』
ボールは空高く飛び上がり、遠くに消えていく
腕も骨折しているようには見えない
緑谷「先生……!まだ……動けます…!」
相澤「こいつ……!」
『やったぁ!』
麗日「やっとヒーローらしい記録出したよーー!」
「指が腫れ上がっているぞ。入試の件といい…おかしな個性だ……」
「スマートじゃないよね☆」
『ダレキミ』
爆豪「…………!!!」
『(爆豪くん驚いてる…。無個性だったのにいきなり個性が出た…なんてそりゃ驚くよね)』
爆豪「どーいうことだこら!ワケを言えデクてめぇ!!!」
緑谷「うわあああ!!」
爆豪は緑谷に向かって走っていった
爆豪「んぐぇ!!」
爆豪に相澤の巻いていた布が巻き付いた