第10章 :Reインゲニウム
―――一夜明け 保須総合病院―――
緑谷「冷静に考えると…凄いことしちゃったね」
轟「そうだな」
緑谷「あんな最後見せられたら生きてるのが奇跡だって…思っちゃうね。僕の脚…これ多分…殺そうと思えば殺せてたと思うんだ」
『うん、それは思う。私の背中も…そんなに深くはないって言ってた』
轟「ああ、俺らはあからさまに生かされた。あんだけ殺意向けられて尚、立ち向かったお前はすげえよ。助けに来たつもりが逆に助けられた。わりィな」
飯田「いや…違うさ俺は―…」
ガラッ
グラントリノ「おおォ起きてるな怪我人共!」
緑谷「グラントリノ!」
飯田「マニュアルさん…!」
グラントリノ「すごい…グチグチ言いたい…が。その前に来客だぜ」
「「?」」
グラントリノ「保須警察署署長の面構犬嗣さんだ」
緑谷「面構!!署…署長!?」
面構「掛けたままで結構だワン。君たちがヒーロー殺しを仕留めた雄英生徒なワンね。ヒーロー殺しだが…火傷と骨折となかなかの重傷で現在治療中だワン」
「「「!」」」
面構「超常黎明期…警察は統率と規格を重要視し“個性”を“武”に用いない事とした。そしてヒーローはその“穴”を埋める形で台頭してきた職だワン。個人の武力行使…容易に人を殺められる力。本来なら糾弾されて然るべきこれらが公に認められているのは先人達がモラルやルールをしっかり遵守してきたからなんだワン」
『…………』
面構「資格未取得者が保護管理者の指示なく“個性”で危害を加えたこと。たとえ相手がヒーロー殺しであろうともこれは立派な規則違反だワン。君たち4名及びプロヒーローエンデヴァー、マニュアル、グラントリノ。この6名には厳正な処分が下されなければならない」
轟「待って下さいよ」
飯田「轟くん……」
轟「飯田が動いてなきゃ“ネイティヴ”さんが殺されてた。緑谷とが来なけりゃ2人は殺されてた。誰もヒーロー殺しの出現に気付いてなかったんですよ。規則守って見殺しにするべきだったって!?結果オーライであれば規則などウヤムヤで良いと?」
緑谷「ちょちょちょ」
『焦凍くん…』
轟「―…人をっ…救けるのがヒーローの仕事だろ」