第9章 蠢く
―――職場体験3日目 PM5時―――
朝から緑谷とはグラントリノと特訓していた
グラントリノ「ん――…これ以上俺と戦うと変なクセがつくかもな…」
緑谷「クセとか以前にまだまだ慣れが足りないです!もっとお願いします!」
グラントリノ「いや……充分だ。フェーズ2へ行く。職場体験だ!」
コスチュームに着替えて外へ出た
グラントリノ「つーわけでいざヴィラン退治だ!」
緑谷「ええ〜〜〜〜いきなりですか!!?」
グラントリノ「だぁから俺とばかり戦ってると全く違うタイプへの対応でつまずく!次は様々なタイプと状況の経験を積むフェーズだ!」
緑谷「仰ることはごもっともですけど…こう突然だと心の準備が…」
『あはは…緊張しちゃうね』
グラントリノ「ヴィランとの戦闘は既に経験してるんだろ?それにそんなでかい事件には近づかんさ」
緑谷「!?」
グラントリノ「ちょっと遠出する」
グラントリノはタクシーを止めて3人は乗り込んだ
グラントリノ「ここいらは過疎化が進み犯罪率も低い。都市部にヒーロー事務所が多いのはそれだけ犯罪が多いからだ。人口密度が高けりゃそれだけトラブルも増える。渋谷あたりは小さなイザコザ日常茶飯事なわけよ」
緑谷「渋谷ぁ!?まさかそんなハイカラの街にコスチュームで…!?」
グラントリノ「ヒーロー同伴でなきゃ着られん服だろ?最高の舞台で披露できるのを喜びんさい!」
緑谷「てなると…甲府から新宿行き新幹線ですか?」
グラントリノ「うん」
『保須市…通るね』
緑谷「うん…後で連絡してみよう」
『そうだね』
―――――
緑谷「着く頃には夜ですけどいいんですか?」
グラントリノ「夜だから良い!その方が小競り合いが増えて楽しいだろ」
緑谷「楽しかないですけど納得です…」
緑谷はスマホを出した
グラントリノ「座りスマホ!!まったく近頃の若者は!」
『どう…?』
緑谷「既読はついてるけど返事はない…」
『飯田くん…いつもは返信早いのにね…』
緑谷「うん…」
キィィィィィ!!
「「『!!』」」
《お客様、座席にお掴まり下さい、緊急停止します―――…》
突如新幹線が急停車
ドオオオオオオオオン!!
『な…!!』
新幹線に誰かがふっとばされてきた